事実婚とは、法律上の婚姻届を提出せず、
事実上夫婦として生活している状態のことを指します。
結婚して婚姻届けを提出することがほとんどだった以前に比べ
婚姻に対する考え方・選択肢も増えてきていますよね。
では、事実婚の場合どのようなメリットデメリットがあるのでしょうか?
目次
事実婚のメリット
事実婚のメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
改姓が不要
事実婚では、結婚を機に姓を変更する必要がありません。そのため、女性が結婚後も自分の姓を名乗り続けたい場合や、夫婦で同じ姓を名乗りたくない場合などに、事実婚を選択することがあります。
具体的には、以下のメリットが挙げられます。
- 免許証や銀行口座などの名義変更の手続きが不要です。
- 職場に結婚を知らせる必要がありません。
- 姓が変わることで生じる、社会的な変化や周囲からの視線を気にする必要がありません。
戸籍記録
事実婚を解消しても戸籍に記録が残らない
事実婚を解消しても、戸籍上は婚姻関係の記録が残りません。そのため、離婚した際に発生する戸籍上の手続きや、離婚届の提出が不要です。
具体的には、以下のメリットが挙げられます。
- 離婚した際に、戸籍上の婚姻関係を消す手続きが不要です。
- 離婚届の提出が不要なため、手続きが簡潔です。
- 離婚したことを周囲に知られたくない場合でも、戸籍上は婚姻関係が残っていないため、隠すことができます。
家族付き合いの負担
親戚付き合いや介護などが負担になりにくい
事実婚では、法律上の夫婦ではないため、配偶者の親戚付き合いや介護などの義務を負いません。そのため、親戚付き合いや介護が負担になりたくない場合などに、事実婚を選択することがあります。
具体的には、以下のメリットが挙げられます。
- 配偶者の親戚付き合いに強制されることがありません。
- 配偶者の介護を義務付けられることはありません。
- 自由に自分の時間を過ごすことができます。
事実婚のデメリット
一方、事実婚のデメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
遺産相続の問題
事実婚では、法律上の夫婦ではないため、遺産相続権がありません。そのため、配偶者が亡くなった場合、遺産を相続することはできません。
具体的には、以下のデメリットが挙げられます。
- 配偶者が亡くなった場合、相続人として遺産を相続することができません。
- 配偶者が亡くなった場合、遺産の相続手続きを行うことができません。
- 配偶者が亡くなった場合、遺産をめぐってトラブルが生じる可能性があります。
税金が控除されない
事実婚では、法律上の夫婦ではないため、所得税や住民税などの税金の控除を受けることができません。そのため、結婚した場合に受けられる税制上の優遇を受けることができません。
具体的には、以下のデメリットが挙げられます。
- 配偶者控除や配偶者特別控除が適用されません。
- 扶養控除や生命保険料控除が適用されません。
- 住宅ローン控除が適用されません。
夫婦関係の証明が難しい
事実婚では、法律上の婚姻届を提出していないため、戸籍謄本などの公的書類で夫婦関係を証明することができません。そのため、賃貸契約や保険契約などの際に、夫婦関係を証明するために、戸籍謄本以外の書類を用意する必要が生じる場合があります。
具体的には、以下のデメリットが挙げられます。
- 賃貸契約や保険契約などの際に、夫婦関係を証明するために、戸籍謄本以外の書類を用意する必要があります。
- 病気やケガで入院や手術が必要になった場合、家族として同意書にサインすることができない場合があります。
- 配偶者が亡くなった場合、遺産相続手続きを行う際に、夫婦関係を証明するために、戸籍謄本以外の書類を用意する必要があります。
また、事実婚は、法律婚と比べて社会的な認知度が低いため、配偶者や親戚などから理解されにくいというデメリットもあります。
事実婚した人の感想や後悔した点は?
事実婚したカップルの感想や後悔は、大きく分けて以下の2つが挙げられます。
1. メリットを感じているカップル
事実婚のメリットを享受し、満足しているカップルも少なくありません。
- 改姓が不要で、自分の姓を名乗り続けたい女性や、夫婦で同じ姓を名乗りたくないカップル
- 離婚した際に、戸籍上の手続きや離婚届の提出が不要で、手続きが簡潔なカップル
- 親戚付き合いや介護などの義務を負わず、自由に生活したいカップル
これらのカップルは、事実婚によって、自分の希望や価値観を実現することができたと、メリットを感じています。
2. デメリットを感じているカップル
事実婚のデメリットを抱え、後悔しているカップルもいます。
- 配偶者が亡くなった場合、遺産を相続することができず、経済的に困窮する可能性があるカップル
- 税制上の優遇を受けることができず、経済的な負担が大きいカップル
- 夫婦関係の証明が難しく、日常生活やトラブルの際に不便を感じているカップル
これらのカップルは、事実婚によって、予想外の負担や不便を強いられ、後悔しているようです。
まとめ
このように、事実婚にはメリットとデメリットの両方があります。
事実婚を選択するかどうかは、それぞれのカップルがそれぞれの事情や価値観を考慮して判断する必要があります。
なお、近年では、事実婚でも遺産相続権を認める民法改正の動きが進んでいます。今後、事実婚のメリットとデメリットは、さらに変化していく可能性があります。