目次
燃焼式トイレとは?
燃焼式トイレとは、排泄物を燃焼処理することで、水を使わずに処理するトイレです。主に以下の2種類があります。
1. 電気焼却式トイレ
電気ヒーターで排泄物を燃焼し、灰にするトイレです。水や下水道がなくても設置でき、災害時やオフグリッドの環境でも使用できます。
特徴
水や下水道がなくても使える
悪臭や害虫が発生しない
処理後の灰は少量で、可燃ごみとして処理できる
ランニングコストは比較的高い
設置スペースが比較的大きい
主な用途
災害時の仮設トイレ
オフグリッドの住宅
山小屋やキャンプ場
公園や公共施設
2. バイオマス燃焼式トイレ
バイオマス燃料(木質チップなど)を燃焼させて発生する熱で排泄物を燃焼するトイレです。電気焼却式トイレよりもランニングコストが低く、CO2排出量も少ないのが特徴です。
特徴
電気焼却式トイレよりもランニングコストが低い
CO2排出量が少ない
バイオマス燃料の調達が必要
設置スペースが比較的大きい
主な用途
災害時の仮設トイレ
オフグリッドの住宅
公共施設
燃焼式トイレのメリット
水を使わないので、水資源の節約になる
下水道がなくても設置できる
悪臭や害虫が発生しない
処理後の灰は少量で、可燃ごみとして処理できる
燃焼式トイレのデメリット
ランニングコストが比較的高い
設置スペースが比較的大きい
電気焼却式トイレは、電気代がかかる
バイオマス燃焼式トイレは、バイオマス燃料の調達が必要
燃焼式トイレの導入事例
2011年の東日本大震災では、電気焼却式トイレが多くの被災地に設置されました。
2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、バイオマス燃焼式トイレが選手村に設置されました。
燃焼式トイレは、水資源の制約がある地域や、災害時の仮設トイレなど、さまざまな場面で活用されています。
なぜ燃焼式トイレの導入が進まないのか?
燃焼式トイレの導入が進まない理由
燃焼式トイレは、水を使わずに排泄物を処理できるという大きなメリットがある一方、導入が進まない理由はいくつかあります。
1. コスト
燃焼式トイレは、従来のトイレに比べて初期費用やランニングコストが高いことが課題です。
初期費用
電気焼却式トイレは、本体価格に加えて、電気配線の工事費用がかかります。
バイオマス燃焼式トイレは、本体価格に加えて、バイオマス燃料の調達費用がかかります。
ランニング費用
電気焼却式トイレは、電気代がかかります。
バイオマス燃焼式トイレは、バイオマス燃料の調達費用に加えて、定期的なメンテナンス費用がかかります。
2. 設置スペース
燃焼式トイレは、従来のトイレに比べて設置スペースが大きくなります。
電気焼却式トイレは、本体に加えて、排気筒や灰の貯蔵スペースが必要です。
バイオマス燃焼式トイレは、本体に加えて、バイオマス燃料の貯蔵スペースが必要です。
3. 燃焼過程における課題
燃焼式トイレは、燃焼過程で以下のような課題があります。
臭気
燃焼過程で発生する臭いを完全に除去するには、高度な脱臭装置が必要です。
ダイオキシン類の排出
燃焼条件によっては、ダイオキシン類などの有害物質が発生する可能性があります。
4. 認知度
燃焼式トイレは、従来のトイレに比べて認知度が低く、導入への抵抗感がある場合があります。
5. 技術開発
燃焼式トイレは、比較的新しい技術であり、さらなる技術開発が必要です。
今後の展望
燃焼式トイレは、上記の課題を克服することで、水資源の制約がある地域や、災害時の仮設トイレなど、さまざまな場面で活用されることが期待されています。
技術開発
コスト削減
設置スペースの縮小
燃焼過程における課題の克服
認知度向上
燃焼式トイレのメリットに関する情報発信
導入事例の紹介
政策支援
導入促進のための補助金制度
これらの取り組みによって、燃焼式トイレの導入が進み、より多くの人々に利用されるようになることが期待されます。
燃焼式トイレの費用は?
燃焼式トイレの費用は、種類やメーカー、設置場所などによって異なります。
種類
電気焼却式トイレ
初期費用:50万円~100万円
ランニングコスト:月額1,000円~3,000円
バイオマス燃焼式トイレ
初期費用:100万円~200万円
ランニングコスト:月額2,000円~5,000円
メーカー
株式会社ディラック
株式会社クリーンシステム
旭化成株式会社
設置場所
自宅
公共施設
災害時の仮設トイレ
費用を抑える方法
複数の業者から見積もりを取る
補助金制度を利用する
補助金制度
環境省:トイレ改修等支援事業
自治体:独自の補助金制度
燃焼式トイレの導入を検討している場合は、上記の費用を参考に、予算に合ったトイレを選ぶようにしましょう。