日々の生活で、大切な書類に押す印章の重要性に気付いていますか?購入や宅配便の受け取りなど、多様な場面での印章の役割は非常に大きいです。しかし、印章や印、実印、認印、三文判、押印、捺印の違いは、ややこしく感じる人も多いでしょう。
この記事で、これらの異なる印章に関する用語や概念を簡潔に説明します。
印章の由来と歴史
印章は約5000年前のメソポタミアに起源を持つと言われています。
日本での印章の歴史は明確ではありませんが、「漢委奴国王」の金印が最古の例です。福岡市で発見され、古代日本(倭)の王が漢に朝貢したことを示しています。平安時代から鎌倉時代にかけて、個人用の印章が普及しました。
印章と印の違い
印章と印は以下のように区別されます。
印章とは何か?
印章は、紙や書類に押される文字や絵のことで、印影とも呼ばれます。
印とは何か?
印は、個人や組織を識別する目的で使われる印です。形は円形や楕円形、角形など多様で、名前や絵が彫られています。
簡単に言えば、物体そのものが「印」であり、それを使って紙や書類に残された跡が「印章」です。
例えば、宅配便を受け取る際に使うのが「印」で、受領書に残る名前の跡が「印章」となります。
「実印、認印、三文判の違いについて」
実印、認印、三文判について解説します。
実印、認印、三文判の特徴と区別
実印、認印、三文判はそれぞれ異なる特徴を持ち、用途に応じて使い分けられます。
実印とは?
実印は、「じついん」と読み、市区町村の役所で登録された印鑑のことです。
登録条件には
「摩耗や欠けがないこと」
「他人が登録していないこと」
「浸透印不可」
「戸籍上の姓名が彫られていること」
などがあります。
一人につき一つだけ登録が可能で、登録後には印鑑登録証明書が発行されます。
認印とは?
認印は、「みとめいん」と読み、実印以外の印鑑のことを指します。日常的に多用され、荷物受け取りや書類確認に使われます。シャチハタも認印として利用可能で、一人が複数持つことができます。
三文判とは?
三文判は、「さんもんばん」と読み、安価で販売される印鑑の総称です。通常は認印として使用されますが、印鑑登録をすると実印としても使用できます。契約や公的な場面では、実印と認印を状況に応じて使い分けるのが一般的です。
捺印と押印の違い
捺印(「なついん」)と押印(「おういん」)はどちらも印を押す行為を意味しますが、使われる文脈によって異なります。署名捺印は本人が自筆で住所や氏名を書いた後に押す印のことを指し、記名押印は代筆や印刷などで記入された後に押す印を指します。
法的には、署名だけでも契約が成立しますが、記名の場合は押印が必要です。
印章を複数持つのは手間がかかることがありますが、実印と認印を同じものにすると悪用されるリスクがあるので注意が必要です。
実印は重要な契約で使用されるため、慎重に選ぶべきです。認印は気軽に購入できるもので良いですが、実印はユニークなものを選ぶことが望ましいです。