雨の季節や梅雨の時、傘を開いたときに「この傘、なんだか臭う?」と感じることはありませんか?
食べ物ではなく、汗を吸い取る衣類でもない傘が、なぜかたまに臭うことがあります。これは、残った雨水が原因でバクテリアやカビが増えるためです。この現象は、湿った衣類やタオルが臭くなるのと同じ原理です。
傘の嫌な臭いは、適切な洗剤で洗うか、しっかり乾燥させることで取り除けます。また、使用後は傘をよく干したり拭いたりして乾かすことで、バクテリアやカビの増殖を防げます。
日常のお手入れを心がけることで、傘の臭い予防だけでなく、耐水性能も保持できます。大切な傘を長く気持ちよく使い続けましょう。
ここでは傘の臭いの原因と、それを消す方法、臭い予防のための対策についてご説明します。
目次
傘が臭う理由:その謎とは?
傘が臭うのはなぜでしょうか? 主な原因はバクテリアやカビの増殖です。特に「モラクセラ菌」という菌が傘の臭いの主な原因となっています。この菌は普段からどこにでも存在しているのですが、傘が濡れたままだと湿気で増え、臭いの原因となります。
よくあるのは、使用後に傘を閉じて傘立てに放置することです。これは外出先や職場では仕方がないことかもしれませんが、家に帰ってもそのままにしておくと、傘は湿気たまま風通しが悪く、バクテリアやカビの温床になります。
私自身も、傘を閉じたままにしておくことが何度もありました。数日後に開くと、内部は完全に乾いておらず、湿気で密着していることに驚いたことがあります。
時間が経つと、傘の素材によっては、傘の骨が錆びたり色移りすることもあります。ちょっとした油断で傘が臭ったり色が変わったりするんです。
もちろん、雨をしのぐという傘の本来の機能には影響しませんが、不快な臭いや変色は避けたいものです。雨の日の憂鬱な気分が、さらに重くなることもありますね。
雨傘からの嫌な臭いを取る効果的な方法
雨に濡れた傘から生じる不快な臭いを除去する方法はいくつかありますが、消臭スプレーだけでは根本的な解決には至りません。傘に施された撥水加工や防水加工のため、消臭スプレーでは雑菌やカビを除去することが難しく、一時的な対処にすぎません。臭いの根本的な解消には、原因となる菌を根絶する方法が必要です。
臭いを根底から取り除くためには、以下の2つの方法が有効です。
中性洗剤の使用
重曹溶液での浸け置き洗い
それでは、それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
1. 中性洗剤を使った洗浄方法
中性洗剤としては、食器用洗剤や衣類用の液体洗剤が適しています。洗浄はシャワーのあるバスルームが最適です。
バケツや洗面器に洗剤を入れ、5〜10倍のぬるま湯で薄めます。
スポンジに洗剤液を含ませ、傘の表面と裏面を優しく洗います。
ぬるめのシャワーで洗剤をしっかり洗い流します(洗剤が残るとサビの原因になるため)。
乾いたタオルで水分を拭き取り、陰干しをします。
2. 重曹溶液での浸け置き洗い
重曹は低刺激で消臭効果があります。折り畳み傘はバケツで、通常の傘は浴槽での浸け置きが適しています。
水1リットルに対して大さじ1の重曹を溶かし、傘が浸かる量を用意します(ぬるま湯がおすすめです)。
傘を閉じた状態で浸け置きし、約2時間放置します。
ぬるめのシャワーでしっかり洗い流します。
タオルで水分を拭き取り、陰干しをします。
これらの方法で臭いを取る際には、最後のすすぎと水分の除去が重要です。
洗剤や重曹をしっかり洗い流し、水分を取り除いた後に陰干しをすることで、新たな臭いの発生を防ぎます。また、洗浄後にアルコール除菌スプレーを使用すると、さらに効果的です。
アルコール除菌スプレーで最終仕上げ
傘を洗った後、乾燥が完了したら、アルコール除菌スプレーを使うことをお勧めします。これは雑菌やカビの除去に効果的で、さらなる繁殖を防ぐ手助けとなります。
日常でできる傘の臭い対策
傘の臭いを予防するには、日頃のちょっとしたお手入れが非常に重要です。日常の手入れによって、傘からの不快な臭いを抑えることができます。
使用後は陰干しを
傘に付いた水分は雑菌やカビの増殖を招きます。そのため、使用後は傘をしっかりと乾かすことが肝心です。風通しの良い場所で傘を広げ、しっかり乾燥させましょう。
ドライヤーで撥水効果を再び活かす
長く使っていると、傘の撥水効果が弱まることがあります。乾きにくくなった傘は、ドライヤーで撥水効果を取り戻すことができます。ドライヤーを使う際は、傘を完全に乾かした状態で、約10cmの距離を保ちながら行います。
防水スプレーで事前対策
防水スプレーを事前に傘に適用すれば、雨の浸透を防ぎ、雑菌やカビの繁殖を抑えることができます。使用する時は、製品の指示に従い、換気の良い場所で行いましょう。
傘の臭い対策と予防のまとめ
雨の日は気分が沈みがちですが、傘からの臭いが加わると更に気持ちが滅入ります。しかし、傘を適切に洗浄し、しっかりとメンテナンスすれば、臭いを予防し、生地の劣化も防げます。
日々のわずかな手入れで、愛用の傘を長持ちさせ、雨の日も快適に過ごしましょう。