なぜ血液型はABC式ではなくABO式なの?

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なぜ血液型はABC式ではなくABO式なの?

血液型をABOと呼ぶ理由は、赤血球の表面に存在する特定の糖鎖に基づいた分類からきています。これらの糖鎖はA抗原とB抗原として知られており、次の3つのパターンに分けられます。

A型:A抗原のみを持つ
B型:B抗原のみを持つ
AB型:A抗原とB抗原の両方を持つ
O型:A抗原もB抗原も持たない
これらの抗原と血液中の抗体の相互作用によって血液型が決定されます。

A型は血漿にB抗体を、
B型は血漿にA抗体を、
AB型は血漿にA抗体もB抗体も持たず、
O型は血漿にA抗体とB抗体の両方を持ちます。
ABO式血液型の発見は、1900年にオーストリアの病理学者カール・ラントシュタイナーによってなされました。彼は人々の血液を混ぜ合わせた際の凝集反応を発見し、この反応の原因が赤血球の表面にある抗原の違いにあることを明らかにしました。その後、彼の弟子たちがA型、B型、AB型、O型という4つの血液型を明確に分類しました。

もともとは、特定の抗原を持たない血液型(現在のO型)をC型としていました。確かに、アルファベット順にABの後にCがくるのは自然な流れです。しかし、1910年にAB型が発見された後、この血液型はO型に改称されました。

C型がO型と呼ばれるようになったのは、ABの両方の抗原を持っていないからであり、実際にはアルファベットのOではなく、ゼロ(抗原が「0」つまり無い)を意味しているとされています。

ABO式血液型は、輸血や臓器移植などの医療行為で重要な役割を果たします。輸血時には、受け取る血液の型が患者さん自身の血液型と一致する必要があります。このABO式血液型は、世界中で最も広く使用されている血液型分類法です。

 

ABO式の血液型は世界でどれくらい用いられてるの?

ABO式血液型は、世界中で最も一般的に使われている血液分類法です。輸血や臓器移植などの医療処置においては、ABO式血液型の検査が必要不可欠であり、世界各地の医療機関で標準的に行われています。

ABO式血液型が広く利用される理由

手軽さ: ABO式血液型の検査は手頃で、結果が比較的迅速に得られます。
正確性: ABO式血液型の検査は高い精度で血液型を特定することができます。
普遍性: ABO式血液型は、世界中の人々に適用可能です。

血液型の組み合わせであり得ないもの

AB型の親からO型の子供
AB型はA型とB型の両方の遺伝子を持ちますが、O型の遺伝子を持つことはありません。そのため、AB型の親からO型の子供が生まれることはありません。

O型の親からAB型の子供
O型はA型とB型の遺伝子を持っていないため、AB型の子供をもうけることはありません。

ただし、非常にまれなケースとして、以下の例では上記の組み合わせが起こる可能性があります。

シスAB型: 通常、A型とB型の遺伝子は異なる染色体に存在しますが、稀に同じ染色体上に存在することがあります。この場合、AB型の親からO型の子供が生まれることはありませんが、シスAB型の親ならばO型の配偶者との間にO型の子供をもうける可能性があります。

ボンベイ型: O型の中には、H抗原を生成できない希少な「ボンベイ型」が存在します。ボンベイ型のO型は検査上はO型として分類されますが、実際にはA型とB型の遺伝子を持っているため、AB型の子供をもうける可能性があります。

稀血とは?

稀血とは、全人口の1%以下にしか見られない珍しい血液型のことを言います。日本においては、O型、A型、B型が一般的で、AB型は比較的少なめですが、稀血はそれらよりもさらに希少で、数十万人に1人の割合でしか見られません。

稀血にはABO式血液型だけでなく、Rh式やその他の血液型も含まれ、種類は非常に多岐にわたります。例えば、以下のような血液型が稀血に該当します。

ボンベイ型:A抗原もB抗原も持たない特殊なO型
シスAB型:AB型でありながら、A型とB型の遺伝子を同じ染色体上に持つ
弱A型:A抗原の数が通常より少ないA型
弱B型:B抗原の数が通常より少ないB型
稀血を持つ人が輸血を必要とする場合、同じ稀血の血液を見つけることが困難になることがあります。そのため、自分の血液型を事前に知っておくことが重要です。

最近では、稀血の人への輸血を支援するために、「稀血バンク」という施設が設立されています。ここでは、献血によって集められた稀血を冷凍保存し、必要に応じて提供しています。

稀血を持つ人は日常生活で特別な制限を受けることはありませんが、輸血が必要になる事態を想定して、自身の血液型を知っておくことが推奨されます。

また、ABO式血液型以外にも様々な血液型が存在します。これらにはRh式、MNSs式、P式、Lewis式、Kell式などがあり、それぞれが輸血や臓器移植の際に重要な役割を果たします。これらの血液型は、赤血球の表面に存在する抗原の種類と組み合わせによって分類され、それぞれが遺伝によって決定されます。

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