年齢を計算する方法である満年齢と数え年の相違点、そして早生まれとのつながりについて解説します。
履歴書やエントリーシートには通常「満年齢」が使用されますが、神社やお寺の七五三や厄年の案内などでは主に「数え年」が採用されます。日常の年齢に関する会話や表現では、「今年、30の大台に乗るよー」とか「10月10日で26歳になった」といった具体的な満年齢が使われることが一般的です。
まずは、普段使われる満年齢の意味について詳しく説明しましょう。
目次
満年齢とは?
日本には、年齢を計算する2つの方法が存在します。
それが「満年齢」と「数え年」です。
履歴書を書く際には通常、満年齢が用いられますが、神社やお寺の行事などでは数え年が一般的です。
友達との会話や年齢に関する話題では一般的には満年齢が主に使用されます。
では、まずは通常の満年齢の定義を説明しましょう。
満年齢の意味とは?
満年齢は、現在の年齢を指します。つまり、現在の年から生年を差し引いたものが満年齢です。
生まれた瞬間から1年目は0歳と数え、その後は1歳、2歳、3歳と数えていきます。
例えば、西暦2030年の場合、生年月日が2000年6月30日であれば、満年齢で考えると、2030年6月29日時点での年齢は満29歳であり、2030年6月30日時点での年齢は満30歳ということになります。
満年齢の計算方法
満年齢の計算方法は非常にシンプルです。現在の年から生年を引けば求めることができます。
また、誕生日がまだ来ていない場合は、その数字から1を引くことで満年齢がわかります。
先ほどの例で説明しましたが、2030年 – 2000年 = 30なので、満年齢は30歳です。誕生日が前日の場合、30 – 1 = 29歳となります。
満年齢の増加は誕生日前日の24時
日本の法律によれば、「年齢は生まれた日から起算する」と定められています。つまり、誕生日を1日目とし、誕生日前日の365日目が満1歳となります。
たとえば、6月30日の朝6時に生まれた場合、満1歳になるのは6月29日の24時、すなわち6月30日の0時です。
なお、この計算方法によれば、うるう年の2月29日に生まれた人でも通常年でも、2月28日に年を取ることになります。
数え年とは
普段使われている満年齢とは異なり、数え年は日本の伝統的な年齢計算方法です。
現在は満年齢が主流ですが、数え年を用いる人もまだ存在し、生まれ年を尋ねない限り、正確な満年齢は分かりません。
最近の新聞の死亡記事では満年齢が使われることが多い一方、享年には依然として数え年が用いられることがあります。数え年の計算方法はいくつかのケースに分かれます。
1.旧暦の1月1日(旧暦の年始)に年をとるケース
2.立春(旧暦の節月における年始)に年をとるケース
3.新暦の1月1日(新暦の年始)に年をとるケース
歴史的には1が本来の方法で、中国では現在でも旧暦の1月1日(旧正月・春節)に数え年を計算します。
しかし、現代の日本では2つとも少数派で、神社仏閣の案内などでは3がほとんどです。この記事では、新暦の1月1日(新暦の年始)に年をとるケースに焦点を当てて説明します。
数え年とは?
数え年は、以下のような考え方です。
生まれた瞬間が「1歳」
年をとるのは「元日」(1月1日)
です。
つまり、生まれた瞬間から1歳であり、誕生日は関係ありません。
例えば、数え年では、2000年12月31日に生まれた場合、2000年12月31日時点で1歳、2001年1月1日時点で2歳、2001年12月31日時点で3歳と数えられます。
12月31日生まれの場合、翌日が元日であるため、生まれてから1日で2歳になるのです。
一方、2000年1月1日に生まれた場合、数え年で2歳になるのは2001年1月1日で、これは満年齢と同じ年齢計算方法です。
数え年は日本の伝統的な年齢計算方法であり、「おぎゃあ」と生まれた瞬間から1歳とする考え方が基盤となっています。
日本の元号も数え年と同様の計算方法を採用しており、元号の切り替え時に年齢が1つ増える仕組みです。
数え年の計算の簡単な方法
数え年の計算方法を簡単に紹介いたします。覚えやすく、間違いのない方法です。
自身の誕生日を境に、以下のように計算いたします。
その年の1月1日から誕生日前日の24時まで → 満年齢にプラス2歳
その年の誕生日から12月31日まで → 満年齢にプラス1歳
数え年の起源と早生まれの関連
数え年という年齢計算方法は、21世紀の現代社会ではあまり一般的ではございませんが、かつては主要な方法でございました。
この方法は、中国由来の古典的な東洋の年齢観に基づいており、実生活においても非常に便利でございました。かつては多くの家庭で多くの子供が生活しており、家族内で個別に誕生日を基準にして年齢を計算することは複雑でございました。
このため、家族の子供たちが一斉に1月1日に年齢を増やすという考えが広まりました。
現代においても、数え年に基づいた風習が残っており、七五三、成人式、喜寿、米寿、白寿などのイベントでは数え年が年齢の基準として用いられております。
また、数え年の考え方には、年齢を個人的なものではなく、共同体全体で共有するという社会的な側面もございます。
夫婦や親子が共に新年を迎えながら歳をとり、孫が生まれれば祖父母も孫とともに歳をとるという考え方が根底にございます。
数え年は、個人の年齢を超えて、共同体として歳をとっていく意味もお持ちでございます。
早生まれと数え年の関連性
小学校時代、1月1日から4月1日までの間に生まれた子供が「早生まれ」と呼ばれることがあり、これが何故か疑問でした。
「遅い生まれが早生まれってどういうこと?」
実は、「早生まれ」の比較は年度の中ではなく、1月から12月までの「年」の中で行われています。
小学校の入学は、新年度が4月から始まります。日本では、満6歳の誕生日以降の最初の4月1日から満15歳に達する日の前日(3月31日)までが学齢とされています。学齢とは、学校に入学し、教育を受けるために適切な年齢のことです。
したがって、誕生日が1月1日から4月1日までの間にある子供は、前の年の4月2日以降に生まれた子供と同じ学年に編入されます。
これはつまり、1月1日から4月1日までの間に誕生日がある子供は、同じ年に生まれた仲間よりも1学年早く学校に入学することを意味します。
同じ年の4月2日以降に生まれた子供たちから見ると、1月1日から4月1日までの間に誕生日を迎えた子供は学年が1つ上で、そのため
「1年早生まれ」
という表現が使われるのです。
これにより、12月31日までに生まれた子供は数え年で8歳となりますが、1月以降に生まれた子供は1歳少ない数え年で7歳とされます。
日本国語大辞典第2版(小学館)によれば、早生まれの由来は次のように説明されています。
「4月2日以降に生まれた児童が数え年8歳で小学校に入学するのに対して、それより早く、数え年7歳で入学するところからいう」
このように、早生まれと数え年には深い関連性があることが分かりました。
満年齢と数え年の違いと早生まれの謎についてまとめ
満年齢とは、以下のように定義されます。
生まれた瞬間から「0歳」
誕生日に歳を取る
一方、数え年は以下のように計算されます。
生まれた瞬間から「1歳」
元日(1月1日)に歳を取る
これにより、生まれた日をどのように年齢として数えるか、また歳をとるタイミングが異なるため、満年齢と数え年の違いが生まれます。
現代では、誕生日が来るたびに1つ歳を取る満年齢が一般的ですが、数え年にはその背後に深い歴史と文化が存在します。